淡中 圏の脳髄(永遠に工事中)

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The world is full of fascinating problems waiting to be solved

ヒトコロリ

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ヒトコロリ

 チャラ〜ン コロスケカンパニーの新製品紹介コーナー!

 「さあ、またまたやって参りましたこのコーナー」

 「今回は、どんな新製品を見せてもらえるのですか」

 「奥さん、庭先などで突然ニンゲンが出てきて驚いた経験ありませんか?」

 「あ〜、ありますあります。突然足元とかにいて、キャーーッて」

 「あるでしょうあるでしょう。そこで、当社の科学力を結集して開発された、超化学兵器、『ヒトコロリ』スプレーです。」

 「えーー、何ですか、それは」

 「これはですね、この映像を見てください、ニンゲンにたいしてですねこのようにブシューーッとやりますと、殺人成分『O-イソプロピル-メチルホスホノフルオリダート』の効果により、ニンゲンどもはコロリ、となってしまうんですね」

 「へ〜、なるほど、すごいですね〜。でも、こんなに効果が高いということは、お値段も高価なんですよね」

 「はははは、駄洒落ですね。いえいえ、そんなことはないんです。この殺人剤『ヒトコロリ』を一万九千八百ポンで、『いちきゅっぱ』で新発売」

 「えーーっ(観客席からも同様の歓声)、そんなに安くていいんですか?」

 「さらにいまなら」

 「えっ、まだあるんですか?」

 「ええ、さらに今買うと出血大サービスで、もう一本ついてくるのです」

 「もう一本もついてくる!これは今がチャンスですね」

 「はい、今を逃したら、もうこんなチャンスはありません。台所に一個、寝室に一個、コロスケカンパニーの新製品、『ヒトコロリ』をいかがでしょうか」

 

 アトム製薬のCM

 家の中、家事の途中の時なんかに、ニンゲンを見たりしたことありませんか?

 「キャーー、ニンゲン」

 そんな奥さんの味方『テトロドン』と『ニンゲンホイホイ』。『テトロドン』はニンゲンがエサと思って食べると、スベスベマンジュウガニから抽出した殺人成分『テトロドトキシン』が神経の働きをノックアウト。あっという間に死んでしまいます。そして、一網打尽にしたい時はこちら、『ニンゲンホイホイ』。ニンゲンの好む匂いを徹底的に研究しました。そのにおいに誘われて、中に入ってしまうとネバネバトラップでもうでられない。そしてまとめてポイッ、です。どうですか。

 

 ニュース+−1

 「続いてのニュースです。

 今月のはじめごろ、わが国の南西部でニンゲンの大量発生が起き、現場に立ち入り禁止地区が指定されましたが、昨日未明、新たなコロニーが発見され、それにより今朝、周辺にも避難勧告が出されました。あっ、映像が出ますね。え〜と、これです、これがそうです。これは防衛軍のニンゲン駆除臨時部隊提供の映像ですね。見てのとおり、かなり巨大なコロニーを形成している模様です。

 それでは、専門家の方に来ていただいているので、ご意見をうかがってみましょう。アトム製薬付属研究所の主任研究員、『鼻の水』博士です。

 では博士、今回の大量発生についてですが。」

 「は、ひゃい。ズズルル、今回の大量はっへい、ズルズル、をおこひたニンゲンは、三千年まへのじゅるるるるるる」

 「三千年前になんですか」

 「ふむまへん、ふラン君、てっひゅ」

 「はい、博士、はい、チイーーン」

 「ふう、すっきりした、ありがとう。彼女の名はウラン君といって、私の助手をしておる。ボーイッシュなのであだ名は『リトルボーイ』といってな。もうひとり、太ったのがおって、そいつのあだ名が」

 「博士、ニンゲンの話は」

 「おお、すまんすまん、忘れるところだったわい。今回の大発生はな、三千年前のホモ・サピエンスの大発生以来のことで、今回の種は、その変種じゃな。このまま放っておくと、SOx、NOxなんかをどんどん出して、周辺の生態系に悪影響をあたへてしまうから、ズル、早く駆除すべきじゃな、ズルル」

 「家などに、時々いるあのニンゲンは」

 「あ、あれは、じゅるるる、ホモ・サピエンスの直系で、しょんなに恐れるこたはなひんひゃが、じゅるる、じゅるるっるるる、ふまんけどてっひゅ、てっひゅ」

 「どうも今日はありがとうございました」

 「いえいえ、チイーーーン」

 「それでは続いてスポーツに時間です」

 

 「さあ、みんなご飯よ」

 「はあい、あっ、ニンゲン」

 「キャーー」

 ガシャーーン

 「とおうっ!」

 「あっ、ヒトキラーマンだ!」

 「くらえニンゲン、『ヒトキラージェット』!!」

 ブッシューーーッ 特殊成分『オキシジェン・デストロイヤー』がニンゲンをK.O.します。

 「あの、一緒にお食事でも」

 「ハハハハ、いいですとも奥さん」

 「ワアイ、新しいパパだ」

 薬のことはおそまつメディシンにお任せください。

 類似品にご注意ください。

 

 あっ、ニンゲン

 バキューーーン

 人間を殺すなら実弾が一番早い。それと同じくらい早く効く『ヒトコロリジェット』。強力噴射でブシューーッ。ほら、VXエアロゾルの効果であっという間に動かなくなりました。スピード勝負なら『ヒトコロリジェット』、『ヒトコロリジェット』が瞬殺記録を塗り替えます。

 コロスケカンパニーの商品です。

 類似品にご注意ください。

 

 台所に食べ物をおいておくと、ほら、そこにニンゲンがたかっていますよ。いやですねえ。そんなときはこれ、アトム製薬の『ストッパー』をご使用ください。この円盤の中には粒状ニンゲン駆除剤入りカプセルが入っており、それを人間が食べると、ほら、このとおり、すぐにいちころです。わが社が研究開発した新型ニンゲン駆除成分が、ニンゲンの神経の働きをストップ!部屋のスミ、小さな隙間など、ニンゲンの出そうなところにおいておけば、あのいやらしいニンゲンどもを、徹底的にストップ!まさに家庭の守護神!

 アトム製薬から『ストッパー』新発売!

 

 朝のホ〜ホケキョ!?

 「今朝のニュースはまず、コロスケカンパニーの機天列社長とおそまつメディシンのいやみ社長の喧嘩騒動からですね」

 「ナサケナイハナシデスネ、オトナゲナイデスヨ」

 「え〜と、今回の騒動はですね、まずおそまつ側がCMで『類似品にご注意ください』という表示を出したことが始まりで、それをコロスケ側が『類似品はそっちだろう』と売り言葉に買い言葉となったわけで」

 「バカバカシイ、ドッチモドッチデスヨ」

 「おやっ、何か意見があるようですね、Dave Specterさん」

 「トッキョノスィステムガカクリツシテナイカラ、コンナコトガオコルンデスヨ。ボクノクニデハコンナコトオコリマセン」

 「でも、向こうでは特許の取り合いで大騒ぎし、特許戦争とまで言われていたじゃないですか」

 「ソレハソウダケド、コレヨリハマシダヨ〜」

 「それは私には、判断しかねますが」

 「目ガオオキクナルヨ〜」

 「それは違う人だろ」

 

 あっ、こんなところにヒトの巣が。そんなときに役に立つのがこれ、『ヒトの巣コロリ』。ヒトの巣の横においておくと、えさだと思ったニンゲンが巣に持って帰っていますね。そしてそれを食べたニンゲンが死にます。そしてその屍骸を食べたニンゲンがまた死にます。これは新型の殺人剤『異常プリオン』の効果です。これでヒトの巣を根こそぎコロリ。どうですこの効果、すごいでしょ。

 明日のことを考えています。コロスケカンパニー

 

 あなたの家の床、よおく見てください。ほらっ、ニンゲンやその屍骸、フンなどが見えませんか。これがアレルギーの原因になるんです。そこで登場『チクロンB』。部屋を密閉しておくとこの缶の中から発生するガスで、ニンゲンどもを丸ごとジェノサイド!残ったニンゲンの屍骸はかき集めて、まとめて焼却炉にぽいっ。まさに一網打尽!

 明後日のことも考えています。おそまつメディシン

 

 あのストッパーがパワーアップして帰ってきました。その名も『ダブルストッパー』です。見てください、二つの殺人剤をベストブレンド!殺人パワーも三倍(当社比)。奥様にますます頼れる味方がつきました。

 来月のことを言うと鬼が笑います。アトム製薬

 

 ニュースプラットフォーム

 「今晩は、ニュースプラットフォームです。今晩のニュースは、殺人剤にふくまれる有毒成分に関するニュースからはじめたいと思います」

 「今日、国民健康省は殺人剤の成分の、環境や生体に対する影響などの本格的な調査に乗り出すことを決定いたしました。これに対して、製薬会社側がどのような反応をするかが、今後大きな注目を浴びることになるでしょう。ただし、今回特に問題にされているのは業務用の、農作物に散布する害人駆除剤で、家庭用の殺人剤には、すぐには影響は出ないだろうと見られています」

 「でもまあ、前々から言われていたことではあるんだけどねえ。ヒトを殺す薬なんだから、われわれにも害がある、ということは当たり前といったら当たり前なんですけどね。」

 「生体への影響では、小動物や子どもへの悪影響が言われています」

 「僕は、あんまり好きじゃないな、ああいう物は」

 

 スクープ王国

 さあ、続いてのスクープはこれ    ジャン

 『ビックリ 大量のニンゲンが住み着いている家』

 エーーーーーーーーーッ(観客)

 それでは、現場にいる特派員

 (画面切り替わる)

 「はい、こちら現場です。この大都会の一角に、大量にニンゲンが住み着いている家があるという噂を聞きつけて、ここにやってまいりました。」

 (ナレーション)しかしこんな街中に、本当にそんな家があるのか。特派員は疑問に思いながら道で片っ端から話を聞いてみることにした。

 「あのすいません、このあたりに、大量のニンゲンが住み着いている家がある、と聞いてきたんですけど」

 「それって、あの家のことでおまっしゃろか?」

 「んだ、んだ、きっとそうにちげえねえだべさ」

 「えっ、それってどこのことですか」

 「ほら、あの家のことだっちゃわいやあ」

 「えっ、あの家ですか?」

 それは一見、普通の家に見えた。果たして本当にこの家に、大量の人間が住み着いているのだろうか。特派員は、意を決して突入してみることにした。

 ピンポーーン ガチャッ 「はあい」

 「あのすみません、テレビのスクープ王国というものなんですが、この家に大量のニンゲンが住み着いていると聞いて、こちらに伺ったのですが」

 「はい、わかりました、どうぞあがってください」

 「あ、はい、あれ、割と普通の家なんですね」

 そこは一般的な住宅と何の違いもない、ごく普通の客間だった。噂はうそだったのか。

 「あの、大量のニンゲンというのはどこに」

 「それではこのドアを開けてみてください」

 「はい、(ガチャ)、えっ、あっ、きゃーーーーっ」

 ジャーーン その時、特派員が見たものは(CMのあとで)

 

 ハイキングにいって、野原に思った以上に悪いヒトがいて、刺されたりした経験がありませんか?

 「ホントホント、いやになりますよ」

 そこで登場コロスケカンパニーの新兵器『ヒト除けスプレー』です。

 「えっ、なんですか、それ」

 これを体にスプレーすると、ほら放射線のバリアでニンゲンを寄せ付けません。

 「あら本当、しかもべとべとしないのね」

 コロスケカンパニーは自然に優しい会社です。

 

 「それではこのドアを開けてみてください」

 「はい、(ガチャ)、えっ、あっ、きゃーーーーっ」

 ジャーーン その時、特派員がみたものは

 「見てください、この大量のニンゲン。ヒトヒトヒト。イヤーー、動いてる」

 ウワーーーーッ(観客)

 「これ、何なんですか」

 「どうです、なかなか可愛いでしょう」

 「ええ、そうですか?」

 じつこの方、アーノルド・ニンゲンスキーさんは、近所でも有名なニンゲン好き、ヒトマニアなのです。それが高じて家の中に何百匹ものニンゲンを飼ってしまったのです。

 「こうしてみていると一匹一匹、ちゃんと個性があるのですよ」

 「本当ですか、あっ。きゃあっ」

 叫んでばかりの特派員。

 「こっちの部屋はもっとすごいですよ」

 「うっわーー、これはすごい。ウワッ、こんなにいて逃げ出さないんですか」

 「逃げ出したこともあります」

 「えっ、じゃあっ、床のどこかにいるのかもしれないんですか」

 「ええ、繁殖力が強いので、屋根裏かどこかで大量に増えてるかもしれませんね。見てみましょうか?」

 「いえ、いいです」

 「それでは最後にこれも見せましょう」

 「えっ、こっ、これはすごい」

 またまた特派員は見た!

 「芸をしてる、ニンゲンが芸をしてる」

 そう、ニンゲンが空中でブランコに乗ったり、まさしくニンゲンのサーカスである。

 「ここまでやるのは苦労しましたよ」

 「すごい。本当にすごいですよ、これ」

 ニンゲンスキーさんは本当にイカしたヒト大好き野郎だったのだ。

 

 クイズ、世界不思議奇想天外!

 第二問まで終わったところで、猫柳さんがパーフェクトペースで一位、でもほかの皆さんも、まだまだチャンスは残っております。それではラストミステリー、不思議奇想天外!

 「今私は、この見渡す限りの大平原にきています。本当に何もありません。でもなんと、この大平原に、とても不思議なニンゲンがいるのです。しかもそのニンゲンなんと古代の生き残りなのだそうです」

 「ええっと、ほら見えてきました。あそこになんだかにょっきり突っ立っているものが見えるでしょう。あれ、いったいなんだと思いますか。あれはなんと、ヒトの巣なんです」

 (ええっ、マジで!)<解答者の声>

 「これはヒト塚といって、この中で何千何万というニンゲンが活動しているのです。ちょっと触ってみましょう」

 「あっ、あったかい。なんだかあったかいですよこれ」

 (ナレーション)これはこのヒト塚に、熱を外に出す仕組みがあることを示している。なんと、このヒト塚の内部は一年を通じて一定の温度に保たれるようになっているのだ。

 「すごいですねぇ、ニンゲンて。昔は、このようなヒト塚を作る種がたくさんいたのだそうですけど、いまでは、この平原にいる一種だけとなってしまいました。

 といったところで、ラストミステリー。

 このヒト塚の機能、空調だけではないのです。夜になるとこのヒト塚に、もっと驚くべきことが起こるのですが、いったいそれは何でしょうか。」

 ジャラジャラジャラジャラジャアーーーン

 はい、それでは、もう一度問題を見てみましょう。『夜が来ると、ヒト塚にどのような変化が起こるのでしょうか』。はい、それではノーヒントでいきます。それでは答えをかいてください。

 (ええ〜、ノーヒントはつらいよー)<解答者の百々村君の声>

 ―十数秒後―

 はい、答えがそろったようですので、それではまず、エリナさんの答えから。

 『音が出る』との答えですが。

 「え〜と、なんかぁ、賑やかそうだからぁ、夜になるとうるさくなるんじゃないかと、思ったんですよ」

 音が出る、と申しますと、どのような音がですか?

 「え〜と、だからぁ、ザワザワザワって」

 わかりました。それでは次は猫柳さん。

 『夜になると光る』ですか。

 「さっき、熱を出すっておっしゃっていたので、熱を出すんだったら光も出すんじゃないかと思いまして」

 なぜ、光を出すのでしょうか。

 「あまり目がいい動物じゃないんじゃないでしょうかね、ニンゲンというのは。だから、巣の中を照らすために何らかの方法を使って、光を出してるんじゃないでしょうかねぇ」

 なるほどなるほど、それでは続いて、おや、この答えは、百々村君。

 『ヒト塚が歩く』とはどういうことでしょうか。

 「いや、だから、歩くんですよ」(会場笑い)

 どのようにですか?

 「だから、その〜、この、(手を使い、歩くまねをしながら)ドシンドシンと」

 と、いうことは、あのヒト塚には足が有るということですか?

 「いや、だからまあ。もう、そんなにいじめないでくださいよ。僕にもよくわかりません」

 それでは最後の解答者、半藤さんの答えは。

 『動く』ですか。

 「わあ、やったやった、僕と一緒だ」(会場笑い)

 「やかましい、誰がお前と一緒だといった」

 「でも、どう見たって、僕と一緒じゃないですか」

 「お前のは『歩く』、わしのは『動く』や、わかったか」

 はい、それでは動くとは、具体的にはどのように。

 「だからの、それはな、え〜と」

 「ほら、言えないじゃない」

 「おまえはだぁっとれ。あ、わかった、塚が小刻みに振動するんや、そうすると熱が発生して、寒い夜も暖こうなるっつうわけで」

 はい、これで答えが出揃いました。果たしてこの中に正解はあるのでしょうか。それでは答えを見てみましょう。世界不思議奇想天外!

 「今、ちょうど十二時、真夜中です。それでは昼間見たヒト塚がどうなっているか、見てみましょう。」

 (ナレーション)ミステリーハンターはヒト塚のある場所に向かった。すると

 「あれっ、何か見えてきましたよ。あ、あれです、見てください、光ってます、ヒト塚が光ってます。わあっ、きれいですねぇ。

 ここに、ヒト塚研究の第一人者の、イワン・コツチャナイ博士に来ていただいてます。では博士、どうしてヒト塚は光るのですか?」

 「=!"#%’&=、%@${#@@・‘”―&’^+=〜\\~_*/’|>。(通訳 光を出すことにより、内部を暖めると同時に、暗闇にあまり強くないニンゲンのための照明にもなっているんじゃないかといわれています)」

 「へ〜、しかしこうしてみるとなんだかロマンチックですね。この中で、ニンゲン達が夜も働いているのですね〜」

 (ナレーション)この、荒涼とした大平原の真っ只中で、太古から続く営みが今日も繰り返されているのである。

 ジャッジャッジャーーン!!!

 と、いうわけで、正解は猫柳鉄子さんでした。さらにトップ賞もなんとパーフェクトで、猫柳さん、おめでとうございます。(会場拍手)

 トップ賞の商品としては、超高級ブランドの………

 

 番組のお知らせ

 今夜のズームアップ現在は

 特集 ニンゲンの大量発生と環境汚染、そして伝染病との関係

 をお送りします。   MHK広報部より

解説

小学生のときは、『世界不思議発見』とか好きだったのだ。

あの頃は、『ガリバー旅行記』に火星の衛星は2つという、当時未発見だった情報が載っているのは、作者のスウィフトが宇宙人から何らかの情報を得ていたからではないか、とか、桃太郎は実際にあった渡来人討伐をモデルにしており、虎柄のパンツを穿いているのは「トラいじん」だからで、家来の犬のモデルは、「話せば分かる」で有名な犬養毅元首相の祖先だとか、なかなか振るった内容を放送していたのだ。いつの間にか旅行ガイドに成り下がっていたが。

そういえば『たけしの万物創世記』でも「船という字に、「八口」という部分があるのは、ノアの箱舟に八人の人間が乗ったから」という奇説を紹介していた。

偽教養番組はこうじゃなくっちゃだめだよな。今の番組も見習うように。

偽教養番組ではないが、もちろん『うっちゃんなんちゃんの特報王国』も好きだった。「ヤラセ」の面白さを前面に出した爽快な番組だ。それが終わった後の、『特命リサーチ200X』の香ばしさも忘れられない。

そんなエッセンスをこの小説にぶち込みたかったのだ。

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