淡中 圏の脳髄(永遠に工事中)

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In the long run, we are all dead

切れ痔が異界と繋がりし人の事

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切れ痔が異界と繋がりし人の事

昔、尾張海部郡某の村に切れ痔の男ありける。ある夜、夢枕に奇異なる風体の男二人立ちて曰く、「我ら異界より来る使者なり。汝の切れ痔、面妖なることに汝が世界と我らが世界を繋ぐ裂け目となれり。その裂け目より血の混じりたる糞滲み出て、いと臭く、迷惑千万この上なし。然るが故に我らここに来れり」と。切れ痔の男、それを聞きて驚きに耐へず恥ずかしく思ひ「我、いかにすべきか」と問ひぬ。またゐたる男、ふところより軟膏を容れし貝殻出して「これ、痔の薬なり。塗らばたちまち治す」といひしに、切れ痔の男「何故、汝らで用ゐぬか」と問ふ。男答へて曰く「糞の混じりたる血の滲み出たる裂け目に塗らまほしからず」と。それを聞きし切れ痔の男、「我、言はずもがなのこと言ひし」と恥じて目を伏しぬ。目上ぐれば、すでにかの男二人、薬残して消え失せける。切れ痔の男、その薬用ひて痔を治し、後に「伊勢貝膏」と名付けて商ひし、財を成しぬ。

解説

鞍馬アリス氏が切れ痔の小説を書いていて、真似して書いてみようと思い、ちょっとネタがないかと思って奇談雑史を開いたら、いきなり痔疾の話が目に入って、奇跡だと思って、それを読んで精一杯文体を真似て書いた。

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